音楽水車とミルの機構

水車は上掛け式で直径は1.8m、軸部分は自動車のホイールを再利用しています。とびがもりでの回転数は概ね30rpmです。

水車の回転は自動車のトランスミッションを再利用した変速装置を通ってミル(カラクリ演奏装置)に伝えられます。ミルへの入力軸は1小節で1回転するので、入力軸の回転が30rpmの時テンポは120(1分間に120拍)になります。入力軸から歯車やチェーンによって様々な回転数の軸に回転が伝えられ、カムやクランクなどの機構を使ってカラクリ演奏装置を動かし音を鳴らします。

▶各パーツについて

竹の杵(ケイコ) 2小節で1回転

昔の精米水車の杵の動きを模した機構です。軸に取り付けられたカムが杵に見立てた5本の竹筒(長さによって異なる音程に調律されている)を跳ね上げて落とし、「ポン」という音を出します。カムとなるピンは取り付け位置を変えることができ、その位置によって異なったメロディー・リズムの2小節パターンを奏でることが可能です。

鉄琴・木琴(マツコ) 4〜16小節で1回転

大きな円筒状に開けられた多数の穴に挿されたピンが、オルゴールの原理でマレットを持ち上げて落とし、鉄琴木琴を奏でます。ピンを挿す穴の位置によって様々なメロディーをプログラムすることが可能です。駆動部分の歯車のギヤ比を変えることによって1回転の小節数は4小節・8小節・16小節と変化させることができます。

ダビンチ・ドラム 2小節で1回転

レオナルド・ダビンチが書き残したスケッチをもとに設計された両面スネアドラムです。16分音符まで演奏でき、両面のうち片面は強い音、もう一方は弱い音(ゴースト)となるように設計されています。やはりピンの挿し方により様々なリズムパターンを演奏することが可能です。ピンを挿す円筒を組み変えることにより3連符のリズム(シャッフル)も演奏可能です。

カホン 2小節で1回転

シナベニヤで作った箱に穴が空いているだけのシンプルな楽器です。「ドン」という低音が出て、ドラムセットで言えばバスドラムの役割を担います。これもカムの挿し替えにより様々なリズムが演奏可能です。

ふいご

軸を挟んで上下一対に配置されたふいごです。軸上のタマゴ型カムにより交互に開閉します。それぞれのふいごからの空気は弁と重りで作動する風圧安定用ふいごに送られ、ほぼ一定の圧力となってピアニカなどに送られます。「吹き戻し」を動かす時は安定用ふいごを経ずに一対のふいごから直接送ります。